硬度とは

硬度の指標は様々ですがここではJIS(日本工業規格)による硬度の指標を解説します

名称 記号 解説 荷重(kgf)
ブリネル HBS Φ10mmの焼きの入った鋼球を3000kgfで被検材に押し込み、その時できたくぼみの表面積(mm2)で荷重(kgf)を割った値。450を超えない。(硬いものは測れない。素材用) HB(10/3000)と表記。他にHB(10/1000)、 3000
HBW 鋼球のボールの代わりに超硬を使う(HB600〜650まで)。一般的ではない  
ロックウェル HRC 頂角120度のダイヤモンドコーンを使い、まず10kgfの試験荷重でセットし(表面の粗さによるばらつきを緩和するため)、次いで150kgfの試験荷重で押し付け、再び試験荷重に戻したときのくぼみの深さの差。ダイヤルの1目盛=0.002mm相当。たとえばHRC=60の場合0.002×60=0.12mm反発したことになる。 150kgf
HRA 同上(荷重の違いのみ) 60kgf
HRD 同上(荷重の違いのみ) あまり使われないため廃止された 100kgf
HRB 1/16インチ(Φ1.588mm)のボールに100kgfの荷重をかける。軟質鋼や可鍛鋳鉄、Cu合金やAl合金に使われる  
ビッカース HV ダイヤモンドピラミッドを押し付け、できた正方形のくぼみの対角線の長さを顕微鏡で測り、これから求めた表面積で、そのときの荷重を割った値。最高1300まで 1,5,10,20,30,50kgf
マイクロビッカース HmV 同上(荷重の違いのみ) 10〜1000g
ショア HS ダイヤモンドのハンマを落とし、その跳ね上がりの高さを測る。HSは100どまり。傷がつかず、ポータブルなため簡易測定に使われるがばらつきが多い。鋼専用。   

※当社保有のロックウェル硬度計の場合、針が一周で0.2mm。ひと目盛(値1)で0.002mmのくぼみに換算されます

概算式

HS=0.1HB+12
HS=HRC+15
HB≒HV
HRC=0.1HB−3

参考

引っ張り強さ(kgf/mm2) 0.35HB
2.1HS
3.2HRC
引っ張り強さ(kgf/mm2)/3 HRC

ロックウェルによる圧痕の直径と深さの実際(弊社3次元測定機での観察による)

HRC A値(mm) B値(計算理論値 mm)
58 0.518 0.149
17 0.846 0.243